ブレーキなし「ピスト」バイクの魅力vs危険性と行く末
ピストという自転車による事故が多発し、危険視する声が高まっているそうだ。
ピストは元々競輪の選手達の練習用だったもので、その特徴は、ドロップハンドルなので見た目はロードバイクと変わらない。大きな違いはシングルギアであることと、ブレーキ(厳密にはちょっと違いますが)がないこと。
希望すればブレーキをつけることも可能だが、ピストを選択する人の中にはあえてブレーキを外すか、初めからついていないのを購入する人が多い。
管理人は乗ったことがないが、ショップの人曰く、ピストのメリットというか魅力は、走っている感がダイレクトに伝わってくる快感があるんだそうだ。
「でも危険ですよね?」、といったところ、怪訝な顔をしてそれは間違った情報だという。
ブレーキを付ければ、という意味だったのか、乗り慣れれば(思われているより)すぐに止まれるという意味だったのかは定かではない。
これは単なる偏見かもしれないが、ピストを選ぶ人は、やはりブレーキがないことのスリルも味わいたいという人が多いんじゃなかろうか。
と思っていたところ、日本で普及するまでの経緯を見ると頷ける。
Wikipediaからの引用を参照されたし。
◆ 日本での普及
トラックレーサーはブレーキがなく、また固定ギアを使用するため、構造が単純で整備性・耐久性に優れている(注油の必要な摺動部分がほとんどない)。これに注目したアメリカ合衆国の自転車便要員の一部がニューヨークなどで1970年代後半~1980年代にかけてトラックレーサーの使用を開始した。やがて彼らの中にはブレーキを装着しない状態のトラックレーサーの方がより純粋な存在であり、また周囲の交通の流れを読みながら走ることである種の瞑想のような経験さえも可能であると考えそれを実行に移す者が出現した。
このような考え方は2000年代半ばに日本にも輸入され、ストリートカルチャーの世界で新しい流行として取り入れられた。この流れの中で特に大きな役割を果たしたのが、ニューヨークで数年間メッセンジャーをしていたとされるデザイナーのMADSAKIやDJの藤原ヒロシらのグループである。
ブレーキと保安部品(ベル、前照灯、反射器)がついていないトラックレーサーで公道を走ることは当然のことながら道路交通法違反であるが、MADSAKIは「魂を磨く」行為とアピールしており、自身のブログ(2006-11-22 00:24:05)では「オレが事故ったらオレのせい。でも他人が事故ってもオレのせいじゃないっしょ。」とも書いている。 また藤原らはスケートボードのチームを自称する「T19」なる集団とともにノーブレーキピストに乗ってマスメディアに頻繁に登場したことで[2]、日本でもトラックレーサーの知名度の向上・普及が進むことになった。そのため現在ノーブレーキピストの台数は増加傾向にある。
◆ノーブレーキピストに対する反応
サブカルチャーを好む人達は、危険と法律違反を承知のうえで、自己責任において使用するならば問題ないという立場を取るケースが多い。しかし一度事故を起こせば他者を巻き込む可能性が多分にあり、自己責任ならば問題がないという主張は欺瞞である。
(特に対自動車・対自動二輪車の場合、“自転車は保護さるべき存在”ということで、運転手が如何に釈明しても責任割合が多く判定される)。
一方、旧来のスポーツ自転車愛好家たちは危険な改造を施したトラックレーサーを嫌悪し自分たちとは違う存在であると主張する人が多い。
Wikipedia – 「ノーブレーキピスト」
管理人のスタンスは、赤文字部分が代弁している。確かに自動車の合間を縫って走るのは快感だろうし、かっこいいかもしれない。しかしそれは、
他人に迷惑をかけたり危険に巻き込まないという当たり前の倫理観が前提としてあってのこと。
ノーブレーキで走るという行為を考えると、自転車を愛すると称する一部の人々が、自らの危険な走行によって、より社会の嫌われ者の存在へと自滅に追いこんでいるのだ。
「瞑想」とか「魂を磨く」行為と比喩される感覚が醍醐味のようだが、それなら人のいない地域でやればよい。
山の中とかであれば街中より障害物が多い上に自然もあり、魂を磨くにはうってつけだろう。
それをせずに人の多い市街地で走るのは、怖い物知らずを誇示して自己顕示欲を満足させるだけの自慰行為といわれても仕方がない。
ニューヨークやヨーロッパでは市民権を得ているという主張も的外れで、、彼の地にはドライバーを含む社会全体が自転車と密接に関わり合う土壌がある。
日本は「自動車社会」に対し「自動車+自転車社会」が成熟しているから比べるのはナンセンスで、この部分を引き合いに出すのなら、なおさら社会に認められるように安全とマナーに配慮した走行をするべきだろう。
警察は交通違反切符を切ったりしているそうだが、ドロップハンドルの自転車が警察に止められたところはみたことがない。
走行中だけでなく、信号待ちや手で引いて歩いているときです。ちょっと栄えた街にいけばロードバイクやピストは至る所に止められている。
本当に取り締まる気があるなら簡単なはずだが。
銀輪の死角:ブレーキなし「ピスト」 暴走、違法競技用車 事故多発、取り締まり強化
「ピスト」と呼ばれる競技用自転車にブレーキを装備せず、公道を走る愛好家が増えている。しかし今年に入り、ピストにはねられた歩行者が死亡したり重傷を負ったりする事故も相次いで発生。ブレーキなしの自転車が公道を走るのは道交法違反なうえ、事故にもつながりかねないため、警察は交通違反切符を切るなどして取り締まりを強化している。【田辺佑介、馬場直子】
東京都渋谷区で今年2月、歩行中の60代女性が30代の男性会社員運転のピストにはねられ、1週間後に死亡した。同区では5月にも、自宅前を掃除中の90代女性に20代の男性会社員運転のピストが後ろからぶつかり、女性が肩を骨折した。警視庁原宿署が、それぞれ重過失致死と重過失傷害の容疑で捜査中。また福岡県警は7~8月、福岡市中央区・天神など中心街で取り締まりを強化し、制動装置不良で4人に5万円以下の罰金となる切符を切った。
ブレーキなしのピストは、主に競輪選手や部活動向けに専門店で販売されている。インターネット上のオークションでは、中古品が3万円程度で買え、選手以外でも購入可能。ブレーキなしで販売しても違法性はない。ブレーキ付きで販売している自転車店もあるが、「ワイヤがスタイリッシュでない」として取り外す愛好家も少なくない。
人気は全国でもじわじわと拡大。京都市中京区の繁華街でブレーキなしピストに乗っていた20代男性は、「事故も多いと聞くが、普段から練習しているから大丈夫。扱えない人は乗らなければいい」と話す。しかし警察庁は「制動装置が備えられていない以上、道路上での使用は原則として違反」との見解だ。
自転車メーカーの「ブリヂストンサイクル」(埼玉県)は危険で違法であることを注意書きしているが、「お客さんが自分で外してしまうとどうにもならない」(広報担当者)と困惑している。自転車協会(東京都港区)も、「競輪選手でも公道での練習には前後にブレーキを付けている。ブレーキなしでの公道走行は大変危険」と警鐘を鳴らしている。
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◇ピスト
トラック競技用で、ペダルと後輪の動きが一致する固定ギアを採用。ペダルを止めれば車体は止まり、後ろに踏めば後退する。停止には相当な脚力が必要。整備しやすいことなどから、00年代に入って東京を中心に全国に広まったとされる。道交法は時速10キロで走行中、3メートル以内で停止できるブレーキを前後輪に備えるよう規定。ペダルでの停止はブレーキとして認められていない。「毎日新聞 2010年9月8日 東京夕刊」より
2011年01月15日 コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |
カテゴリ: ロードバイク
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